biot製 ピロブッシュ交換の巻

 70スープラも生産終了してから余裕で10年を超えてます。ボディもやれてボディ剛性が低くなったなぁとかよく言われますが、新車から乗っていた人ならまだしも、中古だと分かりにくいですね。ボディがサビで穴が開いていたらとかなら分かるかもしれませんが(笑)。材質が鉄でできているので、極端にダメになった、というのも判断が難しい理由なのかもしれないです。
 ところが、ゴムでできているパーツは違います。空気にさらされている限り徐々に酸化が進み、硬くなって最後にはボロボロに朽ち果てます。室内ならともかく、室外についているパーツは影響を受けやすいですね。タイヤも3〜4年、ワイパーとかだと2年くらいで新品の時は全く変わってしまいます。だけど、普通に乗っているならタイヤもワイパーもその劣化も気にならない、、、人間の感覚なんてそんなものかも(笑)。おいらなんて前回ワイパー交換したのがいつか覚えてないし、まだ交換しなくていいやなんて思っています(爆)。今回はそんなゴム製品の劣化について考えさせられるパーツ交換をしてみました。


 おいらがフロント左側のハブのガタに気づいたのは約1ヶ月前。。。こりゃあまたロアボールジョイントのガタが出たか、、、と思って確認してみた所、ガタは見当たらない。ハブを揺らしながらそのガタの元を探ってクルマの下にもぐったら、、、、、、、、、ロアアームのブッシュが動いているではありませんか!!!!しかも前後5ミリ以上も。前から交換したいなぁって思っていましたが、これで決意しました、ブッシュ交換!!!

 ブッシュ交換と言ってすぐ思いつくのが、メーカーから出ている強化ブッシュ。70スープラ用はTRDから発売されていましたが、残念なことにとっくの昔に生産終了とのこと。じゃあ、あきらめて純正ブッシュに、、とは行かないのがおいらの性格で、biotというメーカーか発売されているピロブッシュを選ぶこととしました。あと、ブッシュ交換は作業が大変だという話をよく聞きますが、もちろん交換はDIY!!おいらが工賃に10万以上も払えるわけがありません(笑)。
 それからピロブッシュは動きがピーキーになるから街乗りには不向きとの話もありますが、サーキット向けのクルマに乗っていて街乗りのことを気にしてはいけませんよね。(^_^;)
 あと、だいぶ前にすぷらさんが乗っていたFD3Sを試乗させてもらったときに、ピロの足回りでのクイックな動きに感動したのを覚えていて、いつかはこんなクルマに乗ってみたいなぁと思っていたんです。(^^)

 そんな感じでピロブッシュのDIY取付けを行いましたが、結構面倒でした(笑)。それ以上のコメントは無しです(爆)。しかし、そこは努力と根性で乗り切りました(笑)。詳細は以下のレポートを参照してください。(^_^;)
 レポートの中で分からないことがあったら、掲示板で質問をお願いします。DMはなるべく不可。いろんな人から同じ質問に何度も答えるのが面倒なので。。。(^_^;)

 取り付け後のインプレですが、簡単に答えるなら「挙動が恐ろしく変わった」です(笑)。70スープラの動きではないですね。ステアリングレスポンスがまるで他のクルマのようです。オンザレールとはこのことかもしれません。(^_^;)
 よく聞く言葉で「70スープラはステアリングを切った後に、ワンテンポ遅れてノーズが出るから」というのがありますが、それは単純にブッシュがヘタっているだけじゃないか、というのがよく分かりました。
 デメリットは、段差でのショックを想像以上に拾う、ワダチを想像以上に拾う、交差点を曲がる時にタイヤのスキール音がカートのようになる、ですね(笑)。ゴムによるショック吸収が無くなるので当然ですが、砂利道をゆっくり走った時の脳みそが上下に揺れそうな振動には心躍らされました(爆)。タイヤのスキール音は良いのか悪いのか?!(笑)カートと同じリジットになったからでしょうね。(^_^;)

 と言うわけで、ピロブッシュ交換は街乗りマシンにはオススメできませんが、純正ゴムブッシュ交換だけでも相当変わるはずなので気になる方は試してみてください。DIY作業は、、、、翌日筋肉痛で苦しんでも構わないという方なら、作業方法を喜んで伝授させていただきます(笑)。ただし、おいらは作業に手は出しません(爆)。



これがbiotのピロブッシュ。
画像では分かりませんが、真っ赤な金属の筒の中にピロが入っています。
ゴムブッシュではブッシュ全体がたわんだり動いたりするので、走行中のアライメント値は常に揺れ動きますが、ピロブッシュでは一定になります。
ただ、たわむのが一概に悪いわけではなく、たわむことでアンダー方向にアライメントが動き、オーバーステアによるスピンを防止することに繋がります。
ピロブッシュを入れることでスピンしやすくなるというのは理論的にも当たっているようです。
これ以上の詳しい話は専門誌にて。(^_^;)
最初の作業はフロントアッパーアームから。
車高調取り付けなどでよく取り外すことが多いので見たことがある人も多そうですね。
ナックル側は割りピンを外して、ナットを半分くらいに緩めたら、ハンマーでスパーン!と叩くと外れます。
このスパーン!が、この作業をしていく上で必要な能力になります(笑)。
圧入機でゴムブッシュを押し出している所。
圧入機は工具屋さんで1〜2万円くらいで売っているのを用意すれば十分です。
事前にバーナーであぶっておくと、いとも簡単に抜け落ちます。
ブッシュの押し下げには大きめのソケットを使います。ブッシュを抜いた後にすぐにソケットを拾おうとするとやけどするので注意(爆)。
そんなアホなことするのはおいらくらいですね。(^_^;)
ブッシュがスッポリと抜け落ちたアッパーアーム。
ちなみにブッシュによっては抜く方向が決まっているのがあるので注意。
ピロブッシュの圧入は簡単。
アームをまっすぐ押さえておいて、ブッシュを垂直に入れるだけ。
優秀な助手がいるとさらに作業効率が上がります(笑)。
アッパーアームのピロブッシュ交換一丁上がり!(^^)
真っ赤なピロブッシュが映えますね〜。だけど、取り付けたらほとんど見えないんですけど(爆)。
今回おいらのブッシュ交換の決意で、背中を強力に押してくれた左フロントロアアーム(笑)。
画像はすでにブッシュを抜き取った後ですが、全ブッシュのなかでこいつが一番面倒でした。(^_^;)
重い車重を支えている部分のブッシュだけのことはあります。
しかし、そんな部分のブッシュは余計に負担が掛かるのでしょう、、、次の画像でショッキングなことが!!!
外した純正ゴムブッシュの中から心棒がポロリ!!!!!!!!!!!!!!!!
無理やり引っ張ったんじゃないんですよ、手でゆっくり引き抜けたんです。(^_^;)
こんな状態でサーキットを走っていたなんて、、、よくがんばった、自分!(爆)
こりゃアライメントなんて調整したって何の意味もありませんね。
心棒の真ん中なんて擦れて金属の下地が出ているし。(--;)
これを見て、ブッシュ交換して本当に良かったと思ったのでした。(^^)
そしてピロブッシュを圧入!
70スープラのロアアームって結構でかくてごついので重そうに見えますが、意外にも軽いです(笑)。
他の車種に比べたら重いかもしれませんが。(^_^;)
あとそれから、ブッシュ交換は足回り全バラシなので、作業後はアライメント再調整必須ですからね〜。
ロアボールジョイントもついでに新品に交換しておきました。
というか、なぜか自宅にストックがあったので(笑)。
外したほうはガタが無かったので、予備に取っておく事にしました。
続いてリアのアーム。
このアームはどこだったかな、、、ナックルからフロント側に伸びているアームだったと思います。
ちなみにリアは1本の棒の先にブッシュがついているので簡単です。
V字やコの字になっているアームは、圧入機を使う時に長い棒で中間を支える必要があります。
圧入完了後はごらんの通り。
ピロボールの左右にボルト挿入用のソケットも圧入する必要があるものがあります。
これはプラスチックハンマーでコンコン!と叩けばOKです。
これは確かナックルからデフ側に伸びているアームです。
アライメントをとる際に調整するナットがついているアームですね。
ここも1本の棒の先にブッシュがついているので簡単です。
圧入後!
純正ブッシュの抜き取り〜ピロブッシュの圧入まで15分くらいで終わっちゃいます。(^^)
リアアッパーアームの圧入後!
ここはV字型となっているのでちょっと面倒ですが、ここまでたどり着いた猛者なら楽勝でしょう(笑)。
ただし、ここのアームの取り付けだけは注意が必要です。
狭いからと言ってナットの締め付けで手を抜いてはいけません。どうしてもダメな場合は掲示板にて。。。
最後に、リアのアッパーアームを取り付けた後の画像!
他のアームの画像もいっぱいありましたが容量の関係で割愛させていただきます。m(_ _)m

アームの付け根をよ〜く見ると赤い色が見えます(笑)。
他のアームもおんなじ感じです。(^_^;)
今回の影の役者、ソケットたち。
27〜32くらいで、全部1/2だったかと思います。
同じサイズでも肉厚の違いによって口径が変わってくるので色々と試しました。
理想は1ミリ単位で10個くらいあるといいんですけどね。
影の役者シリーズ・その2。スプレーグリスとガスバーナー。
グリスは圧入する際にかる〜く吹きかけます。ほんのかる〜くですよ。
バーナーはホームセンターで2000円くらいで売っているやつです。
こんなでも結構強力で、ダンボールなんか簡単に火が点きます。他にも、あぶり寿司なんかでも使えそうですね(笑)。

DIY作業に掛かった費用は全部で2万くらいかな?!
作業は大変でしたが、それよりも手に入れた経験は大きかったですね。まさにPriceLess!(爆)
DIY満足度100%!(^^)


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