TEIN製車高調(HA)オーバーホール&取付の巻 その1

 おいらがこのTEINの車高調を買ったのは約5年前。当時首○高ランナーだったおいらは、純正ビルシュタイン&kg/mm製のダウンサス仕様でかっ飛ばしていたんですけど、9号下りのS字で△☆□Km/hオーバーで進入すると、振り返しでフロントタイヤとライナーが接触するほどロールすることに嫌気がさし車高調を購入することを決意しました。あとは、辰○第二PAで周りに停まっているクルマに比べて自分のスープラが車高が高かったのが気に入らなかったという理由もありますが(笑)。

 当時の車高調は今ほど安くはなくまだまだ高価でしたし、当然ネットオークションなんてものは存在してませんでしたから必然的に新品を購入しなくてはいけませんでした。しかし運良くTEINのキャンペーンを発見し、このHAをかなり安くGETできました。(^^)
 この車高調を装着して減衰力調整を硬めにセットするとロールが減ってかなり走り易くなって感動したことを今でも覚えています。今でもこのTEIN・HAを装着している70スープラが多いようなので、やはり万人受けする足回りが受けたってことがいえるのではないでしょうか。

 その新品で買ったTEIN・HAも、5年という歳月と、おいらの決してソフトとはいえない使い方で、体感できるほどヘタってきているのが実感できました。それに筑波サーキットやしのいサーキットを走っていて、うちのスープラのパワーに負けて腰砕けになる場面もあったので、オーバーホールついでに減衰力変更を実行しようと決断しました。

 TEINの車高調はオーバーホールできることでよく知られていますけど、実際にOHしたって人をあまり聞いたことがありませんでした。というのも、結構年数が経ってもそれほどヘタりを感じない性能の高さと、中古市場でいくらでも替えをGETできるからでしょうね。。。というわけで、手探り状態でOHへの道のりを進むことになりました。(^_^;)
 まず、OH後の足回りをどうしたいのか?!について考えてみました。以下に列挙します。
  1.現状よりも硬い足回りにしたい。
  2.現状よりも車高を落としたい。落とした状態で底付きは絶対にさせない。
  3.サーキットメインで使うことを前提としてしまって構わない。
  4.サーキットでのSタイヤ装着を考慮する。

 次に、上記の要望に対してどのようにオーバーホールしていけばよいか考えてみました。(数字は上記番号とリンクしています)
  1.スプリングレートを上げる。硬めの減衰力基準値とする。
  2.スプリング自由長を短くする。ショック部分をショートストローク化させる。
  3.スプリングレートをできる限り上げる。街乗りで必要とされる部分の減衰力指定を行なわない。
  4.Sタイヤ指定減衰力指定とする。(車高調製造元所有減衰力データを指定)

 では、具体的にオーバーホール向け数値をどうやって計算するか考えてみました。
  ・落としたい車高量・・・メジャーで現車測定。
  ・スプリングレート(フロント)・・・TEINのHPで、HAに装着できる最も高いレートが20Kg/mmであることを確認(市販されているもの)。迷わずこれに決定(笑)。
  ・スプリング自由長(フロント)・・・以前測定した自分のスープラのフロント軸重(片輪計算なので2で割る)に対して、20Km/mmスプリングを組み込んだ時の静止時車高ダウン量を算出。(フロント軸重にはFRPボンネット、バッテリー移動等の軽量化を考慮したマイナス補正を行なっています。)この車高までダウンさせるために必要なショックロアシートの下げ幅を算出。ロアシート下げ位置は、ロアシート可動部の中間位置にできるだけ近づけるようにする。オーバーホール前の下げ幅で底付きしていないということを前提に、新スプリングの自由長を算出。
  ・ショートストローク量(フロント)・・・スプリングレートが高いことから自重による車高ダウン量がほとんど見込めない。よって、ショック自身のショートストローク化で補正。ショートストローク量にあわせてスプリング自由長を再算出する。
  ・スプリングレート&自由長(リア)・・・落としたい車高までダウンさせるために必要なショックロアシート下げ幅を算出。リア軸重(軽量化補正済み)に対して、リアスプリングレートと自由長および静止時車高ダウン量の関係を示した対応表を作成。
  ・ショートストローク量(リア)・・・フロント同様、車高ダウン量に合わせてショートストローク量を算出。ショートストローク量にあわせてスプリングレート&自由長対応表(マトリクス)を修正。
  ・ショック減衰力・・・オーバーホール依頼時に依頼用紙にその旨を記入すればOK。

 リアスプリングレートは、対応表でちょうど良いとされたスプリングレート&自由長の組み合わせをいくつかピックアップし、それに合致するスプリングをネットオークションで探し回って、新品同様、程度良、最安値でGETできたスプリングのレートとしました(笑)。

 これで決定した値をオーバーホール依頼用紙に記入(減衰力指定についてはかなり細かく要望を書いてしまいました(笑))し、車高調を完全にばらした状態でショックのみ(アッパー、スプリング等は外す)をダンボールに詰めてTEINに送付しました。どんな状態で戻ってくるかかなりドキドキです。(^^)
 そして、送付後、何度かTEINとFAXのやり取り(オーバーホール内容の確認やオーバーホール料金の支払方法等)を交わしたあと、約2週間でオーバーホール完了となりました!HPの説明では3週間必要とありましたがそれよりも早く到着しちゃいました。これはオーバーホール内容や程度によって前後するのかもしれませんね〜。
 返送されてきたダンボールをあけると、キレイに磨かれたTEINグリーンの車高調が入っています。かなりニヤリですね(笑)。ダンボールの中にはオーバーホール内容が書かれた封筒が入っていました。今回おいらの車高調のオーバーホールでは、依頼したショートストローク加工や減衰力変更のほかに、リングナットやガイドサブアッシー交換、アイリングブッシュ交換が含まれていました。アイリングブッシュとは、ロアアームに固定する部分のゴムブッシュのことです。確かに潰れていた記憶があります。このあたりは基本交換になる部類でしょうね。
 あと気がついたのは、ロアシート可動部にネジ溝固着防止のオイルが塗ってあったことですね。これはTEINで開発した固着防止オイルのようです。これは嬉しい気配りですね。(^^)

 そしてドキドキの組み込みです。おいらが算出したスプリングレート、スプリング自由長、ショートストローク量が間違っていたら、最悪組み込むことができない状況もありえますからね。。。また、組み込めても満足に走れなかったり、予想したとおりの車高にセットできなかったらアウトです。後戻りできない決断です。(^_^;)
 組み込み後クルマを降ろすと、車高はバッチリ!ロアシート可動部の中間位置でちょうど良い車高にセットすることができました!次に近くの道を軽くひと周りしてきたら、その違いにかなり驚きました。オーバーホール前と全然違います。スプリングレートが高くなって車高が落ちればそりゃ違うだろって思ったんですが、予想以上に低速時の乗り心地が良いです。もう街乗りはダメだと割り切っていましたが、これなら全然問題ありません。(^^)

 次に筑波サーキット(TC2000)を走ったインプレですが、ラジアル、Sタイヤともに荷重移動がスムーズにでき、十分なグリップを発揮することができました。アクセル全開にしてもしっかりと路面を捕らえて腰砕けになるようなこともありません。(^^)
 あとはこれまで走ってきた、筑波1000やしのいサーキットをもう一度走ってみてその違いについて感じてみたいですね。これについては「サーキット日記」の方でインプレをしていきたいと思います。


 結果として、今回のTEIN・HAオーバーホール計画は大成功に終わったと思います。(^^)
 70スープラ乗りの方で、自分の車高調をオーバーホールしたいなぁって思っている方は是非参考にしてみてください。実は、オーバーホールは新品を購入するよりもかなり安く実施することができちゃうんです。また、自分専用のセッティングを自分で手に入れることができるメリットも大きいですね。ただし、今回のレポートはおいらのスープラを基準としているところが多いので、ご自身のクルマに合わせた値を再算出することをオススメします。(軸重は車検場などで測定することができます。)

 ※ 上に書いてきたオーバーホール検討は、おいらが独自にやってきたので、考え方に誤りや考慮漏れがあると思われます。もし何かありましたらメールや掲示板等でご指摘願います。

オーバーホール前のショック。ショックが抜けた時は大抵ロッドの根元からオイルがにじむとよく言われますが、今回一番ひどかったのがこの画像のレベルでした。抜けが感じられた原因としては、オイルシールのヘタリというよりもオイルの劣化によるところが大きかったのかもしれません。
実際にロッドを思いっきり押し込んでみても、ちゃんと反発して戻ってきていました。
オーバーホールから戻ってきたTEIN・HA車高調。
ピカピカに磨かれていて気持ちいいです。(^^)
このまま飾っておきたい気分です(爆)。
TEIN車高調に組み込むスプリング。HAは乗り心地も重視しているのか、テーパースプリングを採用しています。
画像の左側がオーバーホール前に装着していたスプリング。右側が今回組み込むスプリングです。自由長は50mm短くなって200mmになります。重さも少しだけ軽くなってバネ下重量軽減に効果がありそうです(笑)。
 
バンプラバー。全然潰れていないことから、以前の車高の状態では全く底付きしていなかったことになります。これなら、オーバーホール後に底付きがあれば、そのおかしな挙動をつかむことができますね。
オーバーホール後はショートストローク加工もされているということで、バンプラバーを3分の2にカットしました。これでダメだったら更に3分の1カットするつもりでした。結果としては、3分の2でちょうど良かったみたいです。(^^)
バンプラバーは見た目よりも結構硬いので、カッターだと結構疲れました(笑)。コツは、のこぎりのように引いたり押したりすることでしょうか。(^_^;)
車高調にスプリングを組み込んだところ。
ヘルパースプリングを外すことで、自由長を短くしなくても車高を落とすことは可能ですが、それだと本当にギリギリの値を算出しないとスプリングの遊びが出てしまう可能性があるのでやめました。
 
純正ビルシュタイン(Cリング)との比較写真。左側の画像がフロント、右側の画像がリアです。
車高調オーバーホール中は、夢朗さんにこのビルシュタインを借りて装着していました。
今回のTEIN・HAがどのくらいショートストローク化されているか分かるかと思います。ちなみに、Cリングは一番車高が低い状態にセットしてあるので、本当の純正ビルシュタインはもっと長いです。
純正ビルシュタインも路面のギャップで跳ねたときもしっかり路面を捕らえていたので、なかなか良かったです。ただ、スプリングが純正を組んでいたので、だいぶロールしていました。これに社外のハイレートダウンサスを組み込めばばっちりかと思います。(^^)
上記純正ビルシュタインを組み込んだ状態で、リアをジャッキアップしたところ。
ダラーンと垂れ下がったタイヤが特徴的ですね。これが一概に悪いということではなく、ギャップで跳ねても路面から離れることが少ないので、きちんとグリップさせることができるというメリットがあります。
ジャッキを降ろしたところ、、、ではなくて、TEIN・HAを組み込んだところです(笑)。タイヤが地面からちゃんと離れているところに注目してください。
これだけショートストローク化されていると、通常街乗りで段差を乗り越えるときに気を使う必要がありそうです(笑)。うちのスープラには機械式LSDが組まれているので少しは大丈夫だとは思いますが。。。(^_^;)
だけど、このショートストロークがサーキットでは効いてくるんです!走行会仕様で割り切れるのであればオススメします。
2004年7月4日の筑波2000走行会に参加した時の画像。(画像は第1ヘアピン。)
実際にサーキットを走ってみてその効果を十分に体感することができました。(^^)
もっともっと走りこんでこの車高調の性能を出し切れるようにがんばりたいです。

満足度200%!


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