TEIN製車高調(HA)オーバーホール&取付の巻 その2

 おいらがこの車高調をオーバーホールするのは2度目!
 前回のオーバーホールの内容には全く不満は無かったのですが、前回からすでに7年経過してヘタってきたということと、筑波サーキットを走りこんでくるうちに「もっとこうしたい!」という欲望が膨れ上がり、再度のオーバーホールに踏み込みました。

 今回のオーバーホールのメニューは下記の通り。
  ・前回のオーバーホールの調整内容(筑波サーキット専用、Sタイヤ装着)を全般的に引き継ぐ。
  ・減衰力設定は前回の1.5倍とする。
  ・車高調のロアアイリングブッシュはレース用のピロブッシュに変更する。
  ・ショートストローク加工などの加工は行わない。


 車高調の基本的な味付けは前回の内容で十分満足していたので、コーナリング速度の向上を目的として減衰力だけ引き上げることとしました。
 ロアアイリングブッシュ交換はレース用マシン限定となるメニューらしく、一般道を走るクルマには推奨されないものの、すでに各部フルピロ化されているままま号には考慮不要ですので気にする必要は無し。
 ショートストローク加工などの基本構成も変更無し。逆にここを変えちゃうと、スプリング交換もする必要があるし、アライメントも見直さなくてはいけないので影響がでかすぎる。そもそも今のアライメントもおいらの走り方にちょうど良く合わせてあるので変更したくないというのが一番の理由ですね。

 オーバーホールはいつもの通り、テインの工場へ送り3週間弱で返送されてきました。
 交換後のインプレですが、やはりアイリングブッシュのピロ化の影響が一番大きく、フルブレーキング時のふら付きが一切消えてなくなっていたのに感動しました。
 やはりゴムブッシュだと負荷が掛かった時によじれてアライメントが多少なりとも崩れるからでしょうね〜。
 それとRの小さいコーナーでの回頭性能が格段に上がりました。これもピロ化の影響もあるでしょうが、減衰力のアップが効いているのもあるかと思います。
 逆に大きいコーナーではクリップ後にアクセルを強めに踏んでもボディが素直に加速するようになりました。これまではリアグリップが落ち着くまでじわじわとアクセルを踏む必要がありましたが、これがだいぶ解消されています。もちろんガバっとアクセルを踏み込めば滑り出しも早くなりますが、滑り出す瞬間がリニアに感じ取られ、もし滑っても楽に建て直し(むしろアクセルを強く踏み込んで前に押し出す感じ)もできるようになりました。

 いろいろ書きましたが、結論としては今回のオーバーホールも大成功!ということですね。(^^)
 今どきテインのHA車高調をまじめに使っている人なんてあまりいないと思いますが、自分のドライビングに合わせてしっかりオーバーホールすれば十分現役でいける性能が出せますね。
 ポイントは、自分の走りの中で「こうしたい!」という改善箇所をうまくまとめて開発元に依頼できるかどうか?!なのかもしれません。

 メリットだけではアレなのでデメリットも書いておきたいと思います。
 やはりピロブッシュ化は一般道ではドライバーへの負担が大きいです。(^_^;)
 他のピロ交換の時も書きましたが、ちょっとした段差での跳ねや、小石を踏んだ時にステアリングが取られるのは注意が必要です。
 簡単に言うと、一般道での街乗りでも油断すると事故に繋がる、ということです。
 このレポートをココまで真剣に読んでくれた皆さんなら大丈夫かと思いますが、例えば一時的にでも誰かに運転を代わってもらうような場合には注意が必要ですね。

 あとは減衰力を上げると、ラジアルでのグリップが下がる傾向にあります。
 当然ではありますが、Sタイヤ前提となっているのでラジアルではその性能を100%引き出すことができず、逆に下げる可能性もあります。サーキットを走る場合には条件がいろいろと増えてくるので負担も増えることは確実でしょう。

 というわけでインプレは以上となります。自分でも車高調をオーバーホールしてみたいという方の参考になれば幸いです。(^^)
 オーバーホールするときの考え方については、前回レポートも参考にしてみてください。

 ※ 上に書いてきたオーバーホール検討は、おいらが独自にやってきたので、考え方に誤りや考慮漏れがあると思われます。もし何かありましたらメールや掲示板等でご指摘願います。

取り外したオーバーホール前のショック本体。
7年間の使用でまたもやかなり汚れてきています。
ちなみにオーバーホールに出すには、原則全バラしでショック単体にする必要があります。
オイルの噴出しなどは皆無。
前回オーバーホール時から今回までのほうが激しいサーキット走行を繰り返していましたが、ロッド部パッキンのヘタりの無さは証明できましたね。(^^)
もちろん、ロッドを押し込んでもスルっと反発していたので、減衰力もしっかり生きていました。
これが純正ショックだと反発が無く、ロッドが沈み込んだままとなる個体が多いです。
左フロントのバンプラバーはこの通り粉々になってました・・・。
もしや底突きしていたのでは?!と心配しましたが、バンプラバーの一番上の部分は無事でしたので安心しました。(^_^;)
筑波サーキットは時計回りなので左フロントが一番負荷が掛かるのは当然ですね。
今回バンプラバーは短くして装着しましたが、次回はバネレートを上げるという選択肢もあるかもしれません。
 
ピロブッシュ化する前のロアアイリングブッシュの状態。
左側のブッシュにねじれるようなスジが見えるのが分かりますね。
ロア側のボルトを締めるときは1G状態にしてから本締めしなくてはいけないという理由がこれで証明されました。(^_^;)
今回これをピロ化するので、1G締め込みが必要なくなるのですが、この考え方は忘れちゃいけないポイントと思います。
オーバーホール後の画像。
前回同様ピカピカの状態で戻ってきました。
ただサビは流石に取れませんね(笑)。車高調整ネジの部分には今回も専用グリースが吹きかけてありました。(^^)
ピロ化されたロアアイリングブッシュ。
下回りのピロのメンテは気を使わないといけないですね。
KUREからピロ可動部の防錆コーティング剤(ドライファストルブ)が出ているので、それを定期的に吹きかけておくのがベスト。

満足度200%!


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